戦術というと、たいそうな感じがしますが、要は、戦いに勝つための計略のことです。もともとは軍事目的で使われる言葉でしたが、そこから派生して、ビジネスの世界や競技の世界において、戦い方を意味する言葉として使われるようになりました。
サッカーにおける戦術とはなにかを考えるうえで、参考になる文献があったので紹介します。
日本では難しいシステム論やポジション論が先行してしまっていて戦術の本当の意味が普及していません。逆に、今私が指導者として活動するスペインにおける戦術の捉え方は至ってシンプルです。突き詰めてシンプルに表現すると、戦術とは、「状況を解決する行為」となります。システム、ポジション、オートマティックな動きというのはそのための方法であって、それ自体が目的となるわけではありません。
よく耳にする議論の一例で、「どのシステムが優れているか?」というものがありますが、状況によってそれは変わります。ある状況では、3-4-3が大きな効果を発揮しますが、違った状況では3-4-3が全く効果をなさない場合があることを知る必要があります。大事なことは、「3-4-3はどのような特徴があるシステムで、どのような時に採用すると効果的なのか?」を知ることであり、議論するのであればそういった内容の議論をすべきでしょう。
出典:サッカーの新しい教科書
スペインでは、10歳の子供にも、戦術的なトレーニングを行っているそうです。日本では、育成年代で戦術的な指導をすることは敬遠されがちですが、この本では、海外と日本を比べたときの大きな差は、戦術的な理解度にあり、育成年代からの戦術的な指導は行うべきだと言っています。
さすがにTFCの練習頻度では、攻撃面でチーム戦術を浸透させるのはなかなか難しいですが、各自が個人戦術のレベルを上げたり、ボールを奪いに行く位置や、プレスの掛け方、ラインの上げ下げのタイミングなど、守備におけるグループ戦術の意思統一くらいはできるのではないかとおもいます。
もちろん、シニアサッカーですから、体力的にできることに限りはあるでしょうけど、リーグ戦に向けて、TFCでも行えそうな基本的な戦術の部分だけでも、共通認識にできそうなことをまとめていきたいと思います。
まずはこのサイトを見ている人だけでも共通認識を持てたらと……。
戦術ミーティングはできずとも、インターネットを使って意識の共有を図りましょう!