自分たちのキックオフをつかって相手のプレッシングのスタートラインをみたり、相手のキックオフから相手のストロングポイントを把握することも有効ですよね。そんな文献を紹介します。
過去のケラッセ羽生戦とか、幸手FC戦とか、もう少し相手の出方を逆手に取るような試合運びが出来てたら……。
たとえば、キックオフ戦術のパターンは主に次の3つに分類される。
- 後方にボールを下げてパスを回す
- サイドに展開して突破を図る
- 中央突破を図る
何より面白いのはキックオフ戦術には当該チームの情報が隠されていることだ。初見のチームの試合を観るときは、キックオフの動き方から多くの情報を手に入れることができる。
たとえば、1の戦術には、敵がどのくらいの位置からディフェンスを始めるのか、プレッシングのスタートラインを見極める狙いがある。敵のやり方を見極めようとするということは、慎重に試合に入ろうとしているのか、あるいはバランスを保って主導権を握りながら試合を進めようとしているのか、そのようなゲーム戦略を早速読み取ることができるわけだ。
2は選手個々の力を観ることができる。左サイドと右サイト、キックオフから前方へ出て攻撃を仕掛けるサイドは、そのチームの攻撃面の長所となるサイドである。そこに配置された選手はスピードに自信があるのか、テクニックに自信があるのか、いずれにせよ個の力に注意する必要がある。
3を使うチームはあまり多くないが、(中略)
何も考えずにキックオフをするチームは1を使うことが多いが、実は1には大きなリスクもある。11年のW杯アジア3次予選、アウェーで対戦したタジキスタン戦では、日本がキックオフで長谷部誠へ下げたボールに勢いよく寄せられ、さらに内田篤人へパスを回したところでプレスを受けてミスが発生。そのまま日本陣内の深い位置までボールを運ばれ、いきなりバタバタした立ち上がりを強いられてしまった。
出典:サッカー「観戦力」が高まる