育成年代の指導現場では、ロングキックは必要ないという方もいると聞いたことがあります。
小学生だと、まだ正確にボールが蹴れる子が少ないし、ショートパスに比べて相手ボールになってしまう確率が高いから、そのように指導されるのかもしれませんね。
でも、本当にそうでしょうか?
小学高学年にもなると、長いボールが蹴れる子がでてきます。また、正確には蹴れないまでも、ロングキックにチャレンジしようとしている子はたくさんいますよね。
ゴールを決めたいのと同様に、ボールを遠くに飛ばしたいという願望は、ある意味、本能のようなものなんでしょうね。
その子の狙いが、判断として正しくなかったとしても、
「長いボールは必要ない!短いパスを繋げ」
という指導をするのか、それとも、
「そんな遠くが良く見えていたな。」
と言ってあげられるかは、子供のサッカー脳を作るうえでも、上のカテゴリでプレーする上でも、とても大きな影響があるようです。そんな文献をみつけたのでご紹介しておきます。
ロングパスの精度が向上すれば、「もっと遠くにいる選手にも正確にパスを出せる」という意識から、今まで見ることのなかった別のエリアにも注意が向くようになるでしょう。つまり、技術力の向上によって視野が広がる=さらに戦術理解力が高まるのです。
この技術力と戦術理解力のように、サッカーの能力は個別に成長していくものではなく、互いに影響し合って高まっていくのです。
出典:サッカー オフ・ザ・ボールの動き・戦術・トレーニング