プレスラインの設定の仕方

またしても、福西先生の本から。ディフェンスのスタートラインを決めることと、奪いどころを決めること。この2つをチームとして意思統一する重要性が書かれています。

ディフェンスでは「どこからボールに寄せるか」というスタートラインを決めておくことが必要不可欠だ。この約束事があいまいだと個々の判断でボールに寄せるため、チーム全体が連動した効率的なディフェンスは難しい。

チームの約束事が決まっているかどうかは、FWからDFまでの距離感をみればすぐにわかる。理想的なのは30~40メートルの距離感を常に保っていることだ。

具体的に高い位置からのプレスの時は、ハーフウェイラインより敵陣寄りの20メートルぐらいから寄せ始めるのが目安になる。一方、低い位置でブロックを構えるときは、ハーフウェイラインがスタートラインになることが多い。

スタートラインは相手のプレースタイルや実力によっても変わるので、同じチームの試合をみていても「今日は前からいっているな」「ちょっとラインを下げたかな」といったことがわかってくるだろう。

(中略)

併せて大事になるのが「ボールの奪いどころをどこにするか」だ。プレッシングは1人で奪いに行くのではなく、チームとして連動しながら、自分たちが設定した「奪いどころ」に誘導していくことがポイントになる。

基本的には、サイドに追い込んだほうがボールを奪える可能性は高まる。相手がDFラインからパスをつないできたら、外に「追い出す」ようにプレッシングをかけて、サイドでボールを持ったところに寄せていく。サイドは中央と違ってパスのコースが限定されるので、孤立させやすいのだ。

ボールの奪いどころを明確にする作業は、いつまでに仕事を仕上げるかという納期を決めるようなもの。ダラダラとやるのではなく、ゴールまでの道筋を描きながら目的を持って全員が動く。プレスライン同様、チーム全体で共通意識を持つことが良いディフェンスにつながる。

出典:ボランチ専門講座

今まで負けた相手や苦しんだ相手にも、必ず1つや2つは穴がありました。その穴に誘導してボールを奪い、主導権を握る戦いをして、「してやったり」といったゲームが出来たら、サイコーだろうなぁ……。