2016年2月23日、日本バスケットボール協会の川渕三郎会長は、改めて、「15歳以下でのマンツーマンディフェンスの推進(=ゾーンディフェンス禁止)」を通達しました。
2015年8月に日本バスケットボール協会が発表した資料には、マンツーマンディフェンスの効果について、
- 1対1でバスケットボールを楽しむ。
- 個人のスキルアップを図る。
- 状況判断力、理解力を高める。
- 想像力を養う。
を挙げ、これによって
- 強力な1対1の突破力、得点力のある選手が育つ。
- ディフェンスで相手を止められる選手が育つ。
- 高い運動能力を持ち、オールラウンドに活躍できる選手が育つ。
- マンツーマンディフェンスの強化により、将来的なゾーンディフェンスの活用を含めた総合的なディフェンス力の強化が実現する。
と書かれています。
フットサルにはかなり共通する要素がありそうですし、サッカーでも、こういう個人戦術的な部分は、幼少のうちにしっかり身に付けて置くべきことなのかもしれませんねぇ。
また、マンツーマンディフェンスを推進する背景について、
- 世界の強豪国では16歳以下のゾーンディフェンスを禁止しており、国際バスケットボール連盟(FIBA)もミニバスでは禁止している。
- 日本では、12歳以下(U-12)のチームの90%以上がゾーンディフェンスを導入しており、中学校の約70%がゾーンディフェンスを中心に試合を組み立てている。
- 15歳まではコーディネーショントレーニングや基礎的なスキルを学ぶべき年代であるが、ゾーンディフェンスというシステムを主に指導されるため、オフェンス、ディフェンスの両面において1対1の対応力が不足している。
などを列挙しています。
バスケットボールの強豪各国は、育成面では、協会がある程度の強制力を持って、戦術的な介入をしているっていうことに、驚きました。
これが、どういう結果につながっていくのか、長い目でみて楽しみです。
そして、話は逸れますが、こうやって、サッカーの事、育成のことを考えたり、考察してみると、自分のなかでも小さな後悔がいまだに残っていて、コーチをしていたころを思い出してしまいます。
今思うと、自分がコーチやっていたころに、もっと周りに遠慮せずに、自分の意見を押し通す強さがあったら、違った何かを生み出せたかもしれないなぁと、すこし後悔したり。
本来は、クラブチームの指導者はレベルが高いとか、少年団のコーチはボランディアだからレベルが低いなんて言う理屈がおかしいし、お父さんコーチかどうかで判断されるのも、甚だおかしいことなんですけどねぇ。
地域の若くて勉強熱心なコーチの皆さんが、遠慮せずに今の時代に合った指導ができるような環境になってほしいなぁと、心から思います。